2000_01年のチャンピオンにクリント・イーストウッドの樹木がノミネート(抜粋)
(出所:A STAR'S ATTRACTION BY DAN SMITH , Photos BY JOHN TODD American Forests, p.14〜17,SPRING 2000)
クリント・イーストウッドのことを考えると何が心に思い浮かぶだろうか?ダーティ・ハリーおそらく。 多分"Play Misty for Me"とか"The Outlaw Josie Wales"の1シーン。その男がかつてきこりとして働き、パルプ工場で山の上から彼の上に落ちてきた丸太で痛めた膝を、その後の人生でずっと抱え続けていることであろうか?熱心なゴルファー、スキーヤー、そしてモンテレー半島とそこの景観に忠誠心を持つヘリコプター・パイロットのことか? これらのイメージをひとまとめにしたものが、最近カリフォルニア州 Carmel に所有する Mission牧場にあるユーカリ(Eucalyptus globulus)を再測定するためにアメリカン・フォレストに加入したクリント・イーストウッドその人である。 タスマニアとオーストラリア近郊に自生するユーカリは、世界で最も成長の早い、最も大きくなる樹木の1つとして名声を博している。ナチュラリストであったクック船長の1770年代における航海で、初めてオーストラリアのアドベンチャー湾でユーカリの種子が採集された。1870年代までにユーカリはカリフォルニアの熱心な支持者となった。 Mission牧場には何本かユーカリ大径木があり、チャンピオンは株立ち樹木で周長は38フィート(約11.4m)以上ある。 イーストウッドは、この場所を1986年にコンドミニアム開発業者の手から救うために購入した。それ以来彼はそこをゲスト用牧場として元に戻すために働いている。 オーシャンビューに不満を持っている隣人は、小屋のもう一方の側に立っている主幹とほとんど同じくらい大きい枝を持つ樹木を強剪定するようしきりに促した。 チーフガーデナーでありグランドキーパーである Angel Erickson が私達のグループに加わったとき、イーストウッドはくすくす笑いながら、隣人の切り刻めろという要求に抵抗しやすいように、国の財産として認められるようすべきであると提唱した。 イーストウッドは、地元の週刊紙 The Pinecone にアメリカン・フォレストからまもなく公表される新しいチャンピオン樹木の記者発表草稿を送るよう提案した。その記事には、Carmel にある2本の樹木が含まれることになる−イーストウッドのものと近隣のモントレーマツ(Pinus radiata)。 イーストウッドは1953年に Carmel で新婚時代を過ごし、その後、家を購入した。しかしそのこと以上に彼はここに根を下ろした。 80年代の半ばに2年間限定の町長を務めたことは別として、Carmel とイーストウッドとの最も目に見える関係は牧場である。近年、彼は Carmel川のずっと上流にゴルフコースを開発した。建設期間中に、イーストウッドは200本以上の樹木を破壊から救うために移植し、自生種以外の種の導入を避けた。彼はコース設計者が取り去ることを求めた300年のナラのことを強調する。その代わりとして、イーストウッドは巨木の移植に経験豊富な業者を依頼した。今やその樹木はフェアウェイの外で丈夫に育っている。 イーストウッドは学校で全国で最も大きい、シャーマン将軍と愛称されているジャイアント・セコイア(Sequoiadendron giganteum)について学んだ記憶を思い出した。彼はマンモス・セコイアがその種の中でチャンピオンであるのみならず、地球上で最大の樹木であり、1940年に最初にアメリカン・フォレストに登録され残っている4本のチャンピオンの1本であることを聞いて驚いていた。アメリカン・フォレストはイーストウッドに、バージニア州アーリントンにある無名戦士の墓から実生苗を贈呈し、いつの日か彼のチャンピオン・ユーカリと同じくらい偉大な樹木に育つことを期待している。