全国巨樹登録(The National Register of Big Trees)
アメリカ国内にあるすべての自生および自生相当の樹木の最も規模が大きく最も知られた樹木標本を発見できる唯一の場所がある−それは全国巨樹登録である。アメリカン・フォレストは、1940年から巨樹の登録を続けている。それは
Joseph Stearns という名前の森林家が、『あらゆる樹木を愛する人やあらゆる森林家やあらゆる樹木伐採業者を、私達の最大の樹木標本を保全する戦いに糾合しようではないか・・・』という呼びかけを行った年でもあった。それ以来、登録制度は50州全てに巨樹コーディネイターと、常に新しいチャンピオン樹木に目を光らせている巨樹ハンター(チャンピオン樹木を推薦する中核グループ、全米に9名)を設立するに至っている。
アメリカン・フォレスト(American Forests)
アメリカン・フォレストは全米で最も古い非営利組織で、1875年に全国の森林資源の浪費と破壊を憂慮した市民によって創設された。今年125周年を祝う協会は、保全運動の創設者としての歴史を心にとどめ、21世紀の人々と環境に対してこれまで発展させてきた新しい試みを継承することに誇りを持っている。
今日協会の使命は、人々が樹木や森林のある環境を改善するための援助を行うことにある。協会は、国内および国際的な植樹活動、森林政策、都市林、および「全国巨樹登録(The
National Register of Big Trees)」や「著名で歴史的な樹木(Famous & Historic Trees)」のようなよく知られているプログラムを通じて、全国の森林−都市および周辺の両方−にとって持続可能な将来を保証するために機能している。協会の活動は、関係している個人や企業やその他の創設者による寛大な貢献によって可能となっている。
これまで Global ReLeaf プログラムを通じて、1,100万本の樹木を500カ所を越える森林エコシステム保全計画や都市およびコミュニティ森林計画に植栽してきた。この計画の大部分は、Global
ReLeaf の森林で行われ、損害を受けた公共的な土地を再森林化するために、適正な種を適正な場所に植え付けている。最初のGlobal ReLeaf 森林はミシガン州の
AuSable 州有林において、絶滅の危機に瀕していた Kirtland's の野鳥を保護する目的でバンクスマツを植えた。また Global
ReLeaf 国際プログラムを通じて海外にも樹木を植えている。協会は21世紀に非営利・非政府の保全組織との関係づくりに積極的に協力する。
あなたの援助によって新しいミレニアムに向けて、私達の2,000万本植樹のゴールに到達することができる、と呼びかけている。
チャンピオン樹木の推薦方法
(出所:American Forests,p.3,SPRING 2000)
@正確な種名ないし変種名(アメリカの自生種および自生相当種に限る)。同定に必要な場合は、最寄りの公園、森林局、ないし普及所に問い合わせること。
A地際から4.5フィート(約1.35m)上がりのインチ単位の幹周(周長)。この部分で幹分かれしている場合、その下の最も周長の小さい部位を測定する。4.5フィートより下で分枝している場合、その下の4.5フィートの部分の周長が最大の幹を測定する。
Bフィート単位で四捨五入した垂直樹高。この作業に最も信頼できる道具は、傾斜計、測高計、トランシットである。これらが手に入らない場合、真っ直ぐな棒を用いることもできる。
腕を伸ばし垂直に棒の基部を握り、握った所から棒の先端までの長さが、握っている手から目までの距離と等しくなるように調整する。樹木から後方にさがり、樹木の地際とおおむね同じGLを保持する。手の上の棒が樹木と等しい長さに見えるようになる地点で立ち止まる。握っている手の位置を樹木の根元に合わせるようにすること、ずれないように、しかも目は棒の先端の延長線上に樹木の先端を捕らえておくこと。
樹木から離れている距離を測定する。そしてそのフィート単位で四捨五入した測定値がすなわち樹高となる。
Cフィート単位で四捨五入した樹冠直径(枝張)。最も広い樹冠と最も狭い樹冠を測定し、両方を足して2で割る。
D樹木の植栽場所
E測定年月日と測定者名
F樹木所有者の名前と住所
G日付入りの鮮明な写真
H樹木の詳細な樹勢状態
I推薦者の名前と住所
送付先:National Register of Big Trees, AMERICAN FORESTS,P.O.Box
2000,Washington,DC 20013.
対象となる種
全国巨樹登録に掲載資格を有するためには、その種は自生ないし合衆国内で自生とみなしえるものと認められなければならない。アカスカを含みハワイを除く(ハワイでのみ発見された種は含まない)。交配種や比較的重要でない変種は除外する。826の有資格種および変種(自生種747と自生相当種79)がある。
有資格と判断するために、アメリカン・フォレストは Checklist of United States Trees(Native and
Naturalized),Elbert L. Little Jr's,農務省農業ハンドブック541,1979年発行を使用している。
樹木の定義
このチェックリストの定義によれば、樹木とは木本性植物であり、地際から4.5フィート(約1.35m)上がりの周長が少なくとも9.5インチ約:23.8cm(直径3インチ:約7.5cm)ある1本の直立した永年性の茎ないし幹を有するものとなっている。
- 自生樹種(または原産)とは、野生で、コロンブスやその他のヨーロッパ人が到着する前の阻害されていない森林植生の中で自然状態で、あるいは自発的に生育していたものをいう。
- 導入樹種とは、アメリカに持ち込まれたものをいう。自生相当種とは、一般にみられるようになった、野生でも生育できる、自然に再生し広がっている導入樹種をいう。自然相当種として受付られた種は、登録時に△印を付けて示している。
樹木の比較方法
樹木の合計得点を見いだすために、アメリカン・フォレストは次のような計算を行っている。
幹周(インチ測定値)+樹高(フィート測定値)+平均樹冠幅の4分の1(インチ測定値) =合計得点
・推薦された樹木が、より高い得点を持っている場合に登録されているチャンピオン樹木と置き換えられる。得点差5点以内の樹木が2本ある時は、共同チャンピオンとして掲載される。
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