16 | 山形県 | 西濱潮害防備林(国有保安林) |
山形県飽海郡吹浦村大字吹浦字西濱国有林
※現 山形県飽海郡遊佐町吹浦西濱
記録によれば、約百数十年前、吹浦は秋田および山形両県の西部海岸一帯竝飛島漁船の避難地としての要港であったに拘わらず、飛砂甚だしく、東方鳥海山より流入する月光川口が埋没し、ために氾濫し、あるいは船舶の出入り西庄を及ぼし、又人家及び耕地にも被害が少なくなかった。吹浦村の阿部清右衞門は深くこれを憂い独力で築港事業を始めると共に砂防林の経営を企て、文政年(1818-1829)中時の大庄屋斎藤丑次郎にネム苗500本の交付を懇願し、川口南方の砂丘に独力でこれを植付けて砂丘の固定を計り、さらに野生クロマツ苗を採集し十余年間不撓不屈の努力をもって植栽をしたという。現に清右衞門爺山と称するのがあるが、現在の西濱クロマツ林成立の始まりを成すものである。
明治初年(1868)官林となり、その後潮害防備保安林に編入され、うち月光川畔2.86町歩は明治40年内務省主管地に組み替え、同43年(1910)保安林の解除をした。大正13年度(1924)施業案検討に際し、酒田事業区に編入された。昭和2年度(1927)には吹浦村大字吹浦字宿町、横町のために委託林を設定した。
西濱潮害防備林 黒松純林で樹齢30〜90年、面積6町余り、風潮に対し二ヶ村に亘り451戸、耕宅地143町余を保護し、増収をなしつつある 林内の状況 |
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